日吉台きむら内科は、経鼻内視鏡で安全で苦しくない胃カメラ検査を行っています。

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機能性ディスペプシア

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 胃部の不快感については、以前は神経性胃炎、胃けいれん、胃酸過多などの病名が使われ、日常会話の中では胃弱と呼ばれることもありました。その後それらの病名が整理され、機能性ディスペプシア(機能性胃腸症)と命名されました。ディスペプシアとはギリシャ語で消化不良という意味です。

 機能性ディスペプシアとは、形のうえでの異常(胃潰瘍、胃がんなど)がないのに、慢性的(おおむね1ヵ月以上)に胃部不快感を呈する病気です。具体的には①胃痛、②胃の灼熱感(熱くなる感じ)、③早期満腹感(すぐお腹がいっぱいになる)、④胃もたれ、などの症状です。

 ①と②の原因は、胃の内臓知覚過敏(少しの刺激にも内臓が過剰に反応してしまうこと)で、胃酸過多がそれを助長します。③と④の原因は胃の運動機能の低下です。少し難しい言い方になりますが、③の原因は胃適応性弛緩の異常です。食物が食道から胃に入ってくると、それに適応して胃の上部が弛緩し広がり、一時的に食物を貯留させます。しかしこの働きがうまくいかないと、食べ始めてすぐにお腹いっぱいになってしまいます。④の原因は胃排出能の異常です。これは胃内の食物をうまく十二指腸に送り出してやれず、食物が胃内にとどまってしまうことです。

 これら原因の根本には自律神経の不調があります。自律神経は自分の意志に関わらず血圧、体温、胃腸の動きなどをコントロールしています。ストレス、疲れなどで自律神経が乱れると、内臓知覚が過敏になったり胃の運動機能が低下したりして、機能性ディスペプシアを起こしてしまいます。

 機能性ディスペプシアを診断するには、慢性的な胃部不快感についての丁寧な問診が欠かせません。同時に腹部エコー検査や胃内視鏡検査(胃カメラ)で、形のうえでの異常がないことを確認して診断を確定させます。

 治療の第一歩は自律神経を元気にすることです。そのためには十分な睡眠、規則正しい食生活など生活習慣の改善が大切です。そのうえで胃酸を中和したり胃の運動機能を改善させるお薬をお出しします。さらに不安やうつ状態が目立つ場合には、抗不安薬や抗うつ薬を処方することもあります。

 機能性ディスペプシアは日本人の10人に1人はかかっているといわれる身近な病気です。命に関わる病気ではありませんが、胃痛や胃もたれが目立つと生活の質を大きく低下させます。

 「日吉台きむら内科」では患者さんの生活習慣にも気を配りながら、機能性ディスペプシアの診療にあたっています。胃部不快感でお困りの方はどうぞご相談ください。 


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